三代目の広目天

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広目天立像(江戸時代)@東大寺金堂(大仏殿)
EOS 5D mark IV with EF100-400mm f/4.5-5.6L IS II USM

誰もが知る”奈良の大仏さん”の鎮座する大仏殿には、大仏だけではなく他に4体の巨大な仏像が安置されています。大仏の両脇を固める虚空蔵菩薩坐像と如意輪観音菩薩坐像、そして本当は四隅を固めて守護する四天王が立っている予定でした。残念なことに、四天王の4体のうち、2体は完成を見ることはなく、今はできあがった頭部のみが飾られています。しかし4体のうちの残りの2体である広目天と多聞天は全身が完成して、大仏殿を訪れる私たちを見下ろしています。奈良時代に作られた当初は10メートルを超える塑像であったというから驚きですが、平安時代末期の焼き討ちで灰燼に帰し、慶派が一門を挙げて造立したという四天王も戦国時代に焼け落ちました。江戸時代に復興された3代目。四天王ならぬ二天になってしまいましたが、同じように圧倒的な迫力で本尊をお守りしているのです。

 

※大仏殿の大仏以外の仏像については、よかったら私の仏像ブログをご参照下さい。

祗是未在(ソゾタケの仏像日記) 「東大寺大仏殿(奈良県奈良市)その(2) — 大仏の脇を固める仏たち」

 

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